anjel








家に帰ると、玄関で翔輝とばったり会ってしまった。


「……」


チラッと私を見ると、すぐに2階にあがる翔輝。


…怒ってるよね。きっと。


私はリビングにいるおばさんに声をかけてから、2階にあがる。


荷物を置いて着替え、翔輝の部屋に向かう。


いざノックをしようとドアの前に立つけど、


緊張で手が動かない。


…やっぱり、今日はやめようかな……。


でも、みんなが背中押してくれたし、


今日やめたら、絶対もう話せない。


よし、と心の中で呟き、ドアをノックした。


『コンコン』


「…翔輝?幸望。」


「…ん」


ガチャ、とドアを開けると、机に向かう翔輝がいた。


「話、あるんだけど…。今大丈夫?」


「うん、大丈夫」


カタっとシャーペンをおいて、私のほうを向く翔輝。


私は意を決して、口を開いた。










< 504 / 600 >

この作品をシェア

pagetop