anjel
「…まあ、そう言うことだから。」
「うん……」
"ごめん"と言おうとした口を、右手で塞がれる。
「幸望、また"ごめん"って言おうとしただろ」
うん、と言えなくて首を縦に振る。
「ったく……。バレバレなんだよ」
そう言って手を離す。
「これからは、幸望の"兄"として、お前のこと好きでいるわ」
優しく笑う翔輝に、私もつられて笑う。
「…うん、ありがとうね」
「…おう」
本当に、ありがとう。
「あ、帰り遅いとかで、もう怒らないでね?」
「は?怒るに決まってんだろ。"兄"としては"妹"が心配だしな」
「えー…」
…ま、いっか。
って思えるのは、翔輝とちゃんと話し合えたからかな。
明日、みんなに報告しなくちゃ。
夏休みは、すぐそこだ━━━━