anjel
練習
『〜♪』
ジリジリと太陽が照りつける中。
『ジャン!!』
いつものライブハウスで演奏する、
私たち"anjel"。
待ちに待った夏休みが始まり、
私はより一層練習に取り組んだ。
「じゃあ一旦休憩しよっか〜!」
「「「「はーい!」」」」
亮くんの言葉に返事をするメンバー。
控え室に戻り、冷蔵庫から飲み物を取り出す。
「…幸望。」
「あ、はい、どうぞ」
"翔"と書かれたペットボトルを取って渡すと、
「…さんきゅ」
と返事がかえってくる。
冷蔵庫を閉め、ペットボトルに入ってる水を半分くらいまで飲み干す。
一時間ぶっ通しで歌ったから、すごく喉が渇いた。
このままじゃ一気に全部飲んじゃいそう……
「あっちー!!」
そう言って控え室に入ってきたのは、
汗だくになった亮くん。
「幸望りん水〜」
「はーい!」
「幸望ちゃん、俺もー」
「はい!」
亮くんと奏ちゃんのぶんを取って、渡す。