anjel








まだうろ覚えのコードを適当に組み合わせて弾いていると。


『〜♪』


「っ!」


メールの受信を知らす、音が鳴る。


私は慌てて携帯を取り、画面を操作する。


…みっくんからだ。


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From▷みっくん

ずっと返事出来なくてごめんね
バイトや課題で忙しくて、
しばらく行けそうにないかな。
体調の方は大丈夫だよ!
心配かけてごめんね
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少し、違和感のあるメール。


いつもは顔文字が入ってるのに、


今日送られてきたものにはそれがない。


どこか余所余所しい文体……


本当にみっくんから?


…って、なに考えてるんだろ。


疑ってしまう自分が嫌になる。


でも、このメールは本当に引っかかる。


なにか、嫌な感じが……


「…気のせいだよね」


そう呟いて、急いで返事をうつ。


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To▷みっくん

お忙しいのに、
お返事ありがとうございます!
無理せず頑張ってくださいね(*´˘`*)
たまにはバンドの方にも
来てください♪
お待ちしてます.゚*・♔
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送信、と。


本当に、忙しいだけなら、いい。


この前のみっくんは、


すごく苦しそうにだったから……


体調不良じゃなければ、それでいい。


私は携帯を胸に当てて、目を閉じる。


…みっくん。










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