anjel
光
「〜♪〜♪〜♪」
あれから、2日後。
あの日は結局最後まで病室に入れなかった。
ずっと外で待っていて、3人が出て来てから一緒に帰った。
そしてその日から、ずっと考えてる。
…私、みっくんに何をしてあげられるんだろうって。
みっくんの話から、私のことをすごく心配してくれているのが分かった。
自分のことよりも、一番に私のことを考えてくれてる……
そんなみっくんに、何も答えないでいるの?
って思ったら、何かせずにはいられなかった。
"最後に"……って言うと、
どうしようもなく泣きそうになるけど、
"いままでのお礼"って思ったら、
笑顔でいられる気がするの。
「〜♪〜♪」
いつも通り、ライブハウスに2時間早く来て、ギターを触る。
歌っているのは、"You Know"だ。
前にこの曲の楽譜をもらって、
ようやく弾けるようになった。
「〜♪」
不思議と、あの日から泣いていない。
みっくんのことを考えると泣きそうにはなるんだけど、
涙は出てこない。
……どうしてだろ。
すんなり受け入れられるわけないのに。
きっとどこかで、
事実を受け入れるのを拒否している。
受け入れたくないって、思ってるんだ。
みっくんは、死なない。
死んで欲しくない。
この2日、ずっとそう思ってた。