anjel








曲が終盤に差し掛かる。


亮くんたちを見ると、みんな泣いていた。


この曲が終われば、


みっくんと離れてしまう。


手術が終わるまでの、別れ。


そう信じているけど、


もしかしたら…………………


ううん。


そんなこと、ない。


そんなことないって、信じなきゃ。


私はまた、泣きそうになるのをこらえ、


必死に笑顔を保った。


みっくん。


笑って?


私に言ってくれたでしょ?


「俺の前では笑ってて」って。


だから私はいつも、みっくんの前では笑っていられるようにするから。


みっくんも、私に大好きな笑顔を見せて?


「〜♪」


4人で作ったメロディーが、


病室の窓から外へと突き抜ける。


かわりに涼しい風が入ってきて、


私たちの間をすりぬける。


この歌、みっくんがアメリカに行っても届けるからね。










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