anjel
「こんばんわ〜!」
ガラッとドアを開けて、大声を出す。
すると、リビングから瑞希のおふくろさんが出てきた。
「あら、亮二くん!いらっしゃい。久しぶりね〜」
「ご無沙汰してます♪」
「あがってあがって」
「はーい!」
おじゃまします、と呟いてあがる。
何も変わらない家の中に、すごく落ち着く。
「2人はまだですか?」
「もうすぐ着くみたいよ」
「そうですか…あ、これどうぞ〜」
「あらあら。いつもありがとうね」
瑞希に挨拶してやって、と言われ、
瑞希がいる部屋に入る。
「久しぶりだな〜、瑞希。」
元気か?
ちゃんと飯食ってるか?
最近来れなくてごめんな。
忙しくてさ〜
この前、初めて大きい仕事任されて、
大変だったよ。
柄にもなく緊張しちゃうし……
上がりっぱなしでさ。
なんとか成功したけど、もうこりごりだよ。
両手を胸の前で合わせ目を閉じながら、瑞希に報告をする。