今日からトップ!?
潰された夢。
「ありえない・・・」
店先の窓に反射して映る自分の顔を再度確認し、大きな溜息をつく。
秀太郎のやつ、冷やせば治るって言ったのに。
思いっきり腫れてるし。
友達に気づかれたらどうしよ。
先生に聞かれたらどうしよ。
こけた・・・で通用するかな?
「末吉っ!!」
後ろから呼ばれ 振り向くと、そこには爽やかな笑顔。
「たっ、高島くん!!!」
朝から会えるなんて、なんて幸せなんだ。
「おはよう、末吉!」
「お、おはようっ!!」
挨拶されちゃったよ。
「っ・・・」
ふいに、高島くんの手は私の頬に触れる。
「高島くんっ!?」
高島くんが触れているところが熱い。
心臓もすごいドキドキいってるし・・・
好きってバレたらどうしよう。
「末吉、どうしたの?
頬、すっげぇー腫れてる。」
あ、忘れてた。
そっちの方こそ、バレたら大変だ。
いい言い訳まだ思いついてないのに・・・
「こ、こけちゃって!!」
こんな嘘が通じるわけないか。
「末吉ドジだもんな。
気をつけろよ?」
・・・通じちゃったよ!!
しかも、なによ、ドジって。
「ドジではないんですけど。」
「いや、絶対ドジだから。
ま、そんなとこが可愛いんだけどね?」
は?
か、可愛い・・・?
高島くんがいきなりそんなこと言うから。
一瞬にして、私の顔は真っ赤になる。
「うわっ、ごめん!
俺何言ってんだか・・・
ほんと、ごめん!」
高島くんまで、顔真っ赤。
「じゃあ、俺寄るとこあるから、先行くね。
また、あとで・・・」
「うん、あとで・・・」
笑顔で手をふる高島くんに、私も精一杯の笑顔で手をふる。
うまく笑えているかは別として。
可愛い・・・
高島くんが可愛いって・・・
「もう、私ドジでいい!
一生ドジでいい!」
「頼・・・あんた・・・」
呆れたような声が横から聞こえ、ハッと我にかえる。
「うわっ、千秋!!」
「ついに頭うった?
ドジ娘・・・」
「ドジ・・・
そう、私ドジなの・・・ふふふ」
私はスキップをしながら、校門をくぐる。
「なんじゃありゃ。
気持ち悪っ!!」