今日からトップ!?
「頼。」
家へ帰ろうとしていたら、竜くんに呼び止められた。
「ノブが、神崎に本当のことを問い詰めて、それを俺に言うように、何度も頼んでくれていたらしい。」
ノブが・・・
「お前らは、やっぱり、双子だな。
お節介なところとか。」
「おせっ、お節介!?」
「ありがとう・・・」
竜くんは、優しく頬笑んだ。
「私はトップだもん。
大切な仲間のためだったら、なんだってするよ!」
「そりゃ、頼もしい。」
竜くんは、少し馬鹿にしたように言う。
「失礼なっ!!」
「頼、本当にあげたい奴に、作らなくていいのか?」
「へっ?」
「ミサンガ・・・」
・・・あっ!!
高島くんにあげようと作っていたのを放置して、竜くんのを作ったんだった!
急いでポケットから作りかけのミサンガを取り出すと、暴れてしまったせいか、修復不能なことになっている。
「あちゃー・・・」
「俺なんかのせいで・・・」
竜くんは、罰そうな顔をする。
「大丈夫だよ!
私は竜くんに今すぐあげたいって思ったから作ったの。
まぁ、また作ればいいし・・・
竜くん、仲直りできてよかったね!」
私は笑顔でそう言った。
「っ・・・」
竜くんの顔は、真っ赤になっていた。
「え、どうしたの?
顔真っ赤・・・」
「いや、なんでもない・・・
気をつけて帰れよ。」
竜くんは、軽く手をあげ、反対方向へと歩いて行った。
「変なの!」
私も、再び家へと足を進める。