今日からトップ!?
ビックパフェ。
「頼、遅い!」
「ごめん!!
寝坊しちゃって」
私は、千秋の隣に座る。
グランドに目をやると、そこには真剣な顔でボールを蹴る、高島くん。
そう、ついにこの日が・・・
"末吉が応援にきてくれたら、勝てる気するんだ"
思い出しただけで、口元が緩んでしまう。
「頼、気持ち悪い。」
親友からの毒に、心が折られそうになりながらも、グランドの高島くんを見つめる。
いつも制服姿しか見ないから、ユニホーム姿は新鮮。
かっこいいなぁ・・・
あれ?こっち見た?
あれ、目あった?
高島くんはどんどん私の方へ走ってくる。
「おはよう、末吉。」
「お、おはっよう・・・」
高島くんは、ニコッと爽やかに笑う。
待って待って待って、あちらの方にいらっしゃる、高島くんのファンクラブの方々の視線が痛い・・・
「来てくれてありがとう。」
「ううん、
高島くん、頑張ってね!」
高島くんは、当たり前!と言いながら、親指をたてた。
あ!
私はカバンからプチ袋をとりだす。
「高島くん、これ!!」
「なに、これ?
開けてい?」
「うん!」
高島くんが袋を開けると、中からミサンガがでてくる。
そう、これを作ってて遅くなっちゃったんだよね。
一回、ダメになっちゃったから。
「これ、末吉が作ったの!?」
「うん・・・
あまり綺麗にできなかったけど。」
こういう時に、侑哉くんにアドバイスもらえばよかった。
けど、貰ったところで、力加減だとか、引っ張る角度だとか、タイミングだとか計算されていちいち言われても、それはそれで鬱陶しい。
姑かっ!
「すっげぇー嬉しい!
サンキュ!」
高島くんは嬉しそうにミサンガを眺めている。
作ってよかった・・・
「颯太ーっ、ミーティングするぞー」
グランドから、高島くんを呼ぶ声が聞こえる。
「おう、行くー!」
高島くんはグランドに向かって叫び、
"じゃあ、勝ってくる!"と決め台詞を残し、グランドへ戻っていった。
「何、あんたら付き合ってんの?」
「ううん。まさか」
「どう見ても今の、カップルだったわ。
ほら、あのファンクラブの方々の殺気を見て。」
言わないでください。
あえて見ないようにしてるのだから。