今日からトップ!?
「高島くん・・・」
応援にきてくれないか?だってさ!
私が応援したら、勝てそうな気がするってさ!
私は高島くんとの会話を思い出しながら、帰り道を歩く。
いや、もはやスキップレベルかもしれない。
きっと、今世界中で一番幸せそうな顔してるんだろうなぁ。
「なんだ、そのニヤけ顏」
はい?
急に、幸せ気分から一気に現実に引き戻される。
「うわ、秀太郎・・・。」
17歳にしては、少し低めの身長。
明るめの茶色の髪は、ワックスで整えられている。
そして、この童顔。
幼馴染の西井秀太郎。
こんなんでも、地元で有名な不良グループ"ACE"の一員。
不良っていっても、全然悪いやつじゃない。
いいやつ・・・だと思う。
「なんか、いいことでもあった?」
「秀太郎には関係ないでしょ?
ほっといてよ。」
私は秀太郎を置いて、再び歩き始める。
「頼、あんさ、お願いあるんだけどさ・・・」
「なに?
え・・・」
気づくと、私は長身の男の人に担がれていた。
「え、ちょっ、待って!
下ろして、下ろしてってば!!」
必死に暴れるが、男の人には全く通用しない。
よく鍛えられた体だなぁ。
って、違うか!!
「秀太郎っ、あんたねぇっ」
「頼、眺めいいだろ!!
竜、アジトに連れてっちゃって!」
秀太郎の合図に、長身の男の人は、ゆっくり歩き始める。