今日からトップ!?












「なぁー、頼。
いい加減機嫌なおせってー!」


「頼、悪かった・・・」


「頼、そんなに怒ってると、シワ増えておばさんになるよ?」








「うるさい!」








もう、ノブのやつ。



早く帰ってきなさいよ。











「ヨリさん。」




男の人が一人、アジトへ入ってくる。







「えっと・・・たしか・・・」











「白野江。」



侑哉くんは、私の前に立つ。









そっか、たしかBRAINのトップ。








「侑哉、本当にすいませんでした。」




白野江さんは、頭を深々と下げる。









「え・・・?」



侑哉くんはその突然の謝罪に動揺している。





「俺は、BRAINを率いてテッペンとることで必死で。


侑哉を自分の手駒のように・・・

でも、それって意味ないですよね。


メンバーを大切にできない・・・
メンバーを守れないトップは、トップなんかじゃない。」






白野江さん・・・







「俺はそんな大切なことを、
頼さんに気づかされました。」



白野江さんは私の手をとる。








「ありがとう・・・」






なんか、ほんと・・・


様になるなぁー。



白野江さん、長身で、鼻も高くて目がクッキリしていて、














「ちょっと待った!!」







秀太郎が私を引っ張り、竜くんが白野江さんを引っ張り、
私と白野江さんを離れさせる。





侑哉くんは、私と白野江さんの間に立つ。


「許す、許すから、
これ以上頼に触るな近づくな見るな!!」




侑哉くんは、白野江さんにむかって、そう言う。





「あと・・・


ありがとう。」







侑哉くんは、照れ臭そうにそう言った。





「友達にいじめられてた僕を助けてくれたのは、あんただから。」







「侑哉・・・」









侑哉くんと白野江さんの間には、
私は知らない二人の過去がある。







ちょっと寂しいな。





ノブは全部知ってるんだろうな。





秀太郎のことも、竜くんのことも、侑哉くんのことも、
他のメンバーのことも。





私は、皆の今までを知らないから。






ノブがうらやましいな。

< 46 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop