今日からトップ!?




「連絡取れないってどういうことよっ・・・
信、信はっ?」




私は秀太郎の胸ぐらを掴む。









信と私は、双子。

親が間違うくらい、ソックリ。



この歳になっても間違われるんだから、大問題だ。




私の両親は、私たちが中学三年の時に離婚した。


お互い好きなことをしたいらしい。



私はお父さん、信はお母さんと住むことになった。




まぁ、たまに会ったりするんだけどね。



父さんと母さんも、仲良いし。




離婚した理由が分からない。







「だから、頼。

ノブが帰ってくるまで、
ノブの代わりをしてくれないか?」














「・・・は?」



「ノブになりきって、このチームのトップにいて欲しい。」








いや、

いやいやいや・・・


ありえないでしょうよ。






だって、私一般人。



ごくごく普通の、どこにでもいる女子高生。

喧嘩に勝てるはずもない。
ってか、喧嘩したくない。



平和主義!!



私はごく普通に、高校生活送りたいんです。



こんな、ね。


悪いグループでないとは言え、不良グループ。
しかも、トップなんて・・・









「丁重にお断りします、はい。」





「そこをなんとか!!」



「そもそも、ね。

ほら、私女子高生だし?
てか、こんなグループと付き合ってるってバレたら、退学になっちゃう!」



「心配すんなって、侑哉、あれ出してくれ。」



「サイズを多少直しておいた。」



メガネをかけ、少し長めのサラサラの髪で瞳をかくしている、謎の少年が、カバンから、なにやら、服を取り出す。



「なに、これ。」



「ノブのトレードマークのパーカー。
レプリカだけどな。
ほら、ノブいっつも灰色のパーカー着てんだよ。」





灰色のパーカー。





それは、私が誕生日に信にあげたパーカー。



使ってくれてるんだ。






信・・・






「ま、とりあえず、着替えた方がいいんじゃない?
どちらにしろ、そんな格好でここから出て行くとこ見られたら、退学。」



謎の少年がいうことは最もで。





私はしぶしぶ、隅の物置で着替える。





「うわ、ノブ!
ノブそのものじゃん!」



パーカーに、六分丈くらいのズボンを履いた私の姿を見て、口々にそう言う。





私も鏡を見てビックリした。
信と、ここまで似てるとは。




< 5 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop