今日からトップ!?
「例え、信と似てるとしても、私絶対やらないからね!
トップとか・・・
絶対やらないからねっ!!」
私は鞄を持ち、アジトから出て行く。
私がトップ?
ないないないない。
「まったく・・・
信のやつ、どこいるのよ。」
「キーホルダー落としましたよ」
家への帰り道を悶々考えながら歩いていると、後ろから声をかけられ、振り向く。
金髪で、いわゆる強面のチャラ男のような・・・
ようするに、私の苦手な類(ヤンキーやら不良やら)の男の人が、
私の大切なパンダのキーホルダーを持っている。
あ、そう!
私不良やらヤンキーやらチャラ男やら・・・
怖くて苦手なんだ。
ノブは、そもそもそんな類じゃないくせに、不良グループやってるし、
秀太郎もそんなんではない。
そう、そういう類が嫌いな私に、そこ苦手な類になれなんて、無謀だ。
「ありがとうございます・・・」
私は絡まれないように、さっさとキーホルダーを返してもらって、去ろうとする・・・
ドガッー・・・
が、しかし、
殴られた。
「いった・・・
なにすんの?」
「ノブさんよー、
俺の顔忘れたわけ?
悲しくなっちゃうなぁ。
あんなに俺のこと殴っといて。」
殴られた頬は、ズキズキする。
拳って、こんなに痛いんだ・・・
じゃなくて。
私はノブじゃない。
けど、ここで双子の妹って言ってしまえば、この先私まで抗争に巻き込まれ兼ねない。
「・・・パンダ返せ」
とにかく今は、ノブになりきるべき。
私は、必死にパンダに手を伸ばすが、
男は簡単によける。
「お前、もともと女みたいだったが、さらに女らしくなったな。
女々しいんだよ。
こんなキーホルダーとか、キモいんだよっ」
男は、パンダのキーホルダーを、地面に落とし、足で踏みつける。
「っ・・・」
「より、・・・じゃなくて、
ノブっ!!」
秀太郎と、私を担いだ長身男と、メガネくんが追いかけてきたらしい。
「っ、
おまえ、なに、うちのトップに手出してくれてんだ、あ?」
秀太郎が、私をかばうように私の前に立つ。