今日からトップ!?
「ねぇ、信・・・
今までどこに、」
「あ、頼!!
イルカショー!
イルカショーあるよ、行こ!」
信に引っ張られてイルカショーのプールまで連れていかれる。
ちょっと、せっかく聞き出そうとしたのに・・・
その後もなかなか信から聞き出すことはできず、
もはや観光を楽しんでいた。
信の楽しそうな顔見てたら、聞けないじゃん。
「もう、すごい綺麗だったのよ!」
「ウェディングドレスとか、久しぶりに見たなぁ。」
旅館に戻り、信とゴロゴロしていると、ハイテンションの二人が帰ってくる。
「私たちも、もう一回、結婚式したいわね!」
「離婚してるんだから、いいんじゃないか?
また再婚して結婚式!」
いやいや、それじゃあ結婚式するために離婚したとしか思われないよ。
お母さんとお父さんの能天気さには、ほんと呆れる。
二人が離婚するって聞いた時に流した涙を返せ。
「頼も、いつかは、ウェディングドレスを着るんだよな・・・」
急にお父さんがしみじみとした顔で私を見てくる。
「頼、そういう相手いないの?」
「え、そういう?
・・・って、どういう?」
「結婚相手!」
・・・いやいやいや。
結婚相手も何も、私まだ高2だし。
私が呆気にとられてポカンと口を開けていると、隣で信がお腹をかかえて笑っている。
「頼に結婚相手!!
面白い面白い」
「なっ、それは失礼でしょ!」
私は信を軽く小突く。
結婚・・・ねぇ。
まだ彼氏もできたことないから、全然想像できないや。
そう、彼氏できたことない。
できたことないはずなのに・・・
なんでファーストキス奪われてんのよ、私。
私は隣で笑う信を思いっきり睨む。
「なに、頼。
怖いよ、その顔。」
「私はねー、あんたのせいでファースト・・・」
そこまで言って、今ここにはお母さんとお父さんがいることを思い出す。
お母さんとお父さんの前で、そんなこと言えるはずがない。
付き合ってもいないやつに、襲われ、ファーストキスも奪われたなんて。
なんてハレンチな娘なんだと思われてしまう。
いや、私は悪くない、絶対悪くない。