今日からトップ!?



「貸して。」



メガネくんが、私の手からパンダをとる。



そして、背中に背負ったリュックサックを下ろし、中からソーイングセットを取り出す。



「侑哉は、ああ見えて、裁縫が得意なんだよ。」



へぇー・・・意外。



てか、不良が、特技は裁縫って。





前から思ってたけど、
ACEって、やっぱりどこかズレてる。




「はい。」



侑哉くんから手渡されたソレは、
どこを切られたのか分からないほど、綺麗に縫われていて。



「すごい・・・」



「糸の細さ、縫い幅、針の入れる角度・・・
それらを計算すれば、新品同然に縫える。」



え、計算・・・?




「侑哉は、ザ☆理系くんだ。
頭はありえないほどいい。
多分、頼でさえ敵わないんじゃね?」




「なんか・・・すごいね。」




「そして、こいつ。
竜は、レスリングしてたんだ。
だから、ほら、この鍛えられた体!
すげーだろ?」



秀太郎は、自慢そうに言う。



いや、あんたが自慢することじゃないでしょ。




「よろしく。」



竜くんは、ボソッと呟いた。




「こいつ、無口で無愛想で、若干怖いけどさ、
めちゃくちゃ優しいし、いいやつ!」




竜くんは、照れたように頭をかく。




可愛い、可愛いな、おい。
ギャップですか。





「俺と侑哉と竜・・・

そしてノブの四人がACEの幹部なんだ。」



「へぇー・・・

って、そんな紹介されても、
絶対ノブの代わりなんてしないからね!」




「頼っ!」




秀太郎は、そう言い、私の両肩に手をおく。




ちょ、顔近いよ・・・







「俺ら、ノブを救いたいんだ。

なんで姿を消したか分からない。
いつもの感じで、フラッと一人旅に出たのかも知れない・・・


けど、もし何かに巻き込まれていたら。




俺らは救いたいんだ。

俺らはノブにたくさん助けられてきたから。
今度は俺らが・・・」



秀太郎は真剣な顔して話す。




信・・・
こんなに思われてたんだね。


こんなにいい仲間に囲まれてたんだね。




「俺らの力だけじゃ無理だから・・・


だから、頼、頼む。
俺らに力を貸してくれ。

絶対俺らがおまえを守るから。」




「秀太郎・・・」





「俺からも頼む。」


竜くんも頭を下げる。



「僕も。」



侑哉くんも頭を下げる。





「・・・」




ずるい。



そんなに言われたら、断れないじゃんか。




「・・・ノブが帰ってくるまでだからね。」



「え・・・?」



「それと、学校にバレたりしたら、ほんと許さないから!」





「頼・・・」









「いいよ、ノブの代わりやっても。」


< 8 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop