今日からトップ!?
「貸して。」
メガネくんが、私の手からパンダをとる。
そして、背中に背負ったリュックサックを下ろし、中からソーイングセットを取り出す。
「侑哉は、ああ見えて、裁縫が得意なんだよ。」
へぇー・・・意外。
てか、不良が、特技は裁縫って。
前から思ってたけど、
ACEって、やっぱりどこかズレてる。
「はい。」
侑哉くんから手渡されたソレは、
どこを切られたのか分からないほど、綺麗に縫われていて。
「すごい・・・」
「糸の細さ、縫い幅、針の入れる角度・・・
それらを計算すれば、新品同然に縫える。」
え、計算・・・?
「侑哉は、ザ☆理系くんだ。
頭はありえないほどいい。
多分、頼でさえ敵わないんじゃね?」
「なんか・・・すごいね。」
「そして、こいつ。
竜は、レスリングしてたんだ。
だから、ほら、この鍛えられた体!
すげーだろ?」
秀太郎は、自慢そうに言う。
いや、あんたが自慢することじゃないでしょ。
「よろしく。」
竜くんは、ボソッと呟いた。
「こいつ、無口で無愛想で、若干怖いけどさ、
めちゃくちゃ優しいし、いいやつ!」
竜くんは、照れたように頭をかく。
可愛い、可愛いな、おい。
ギャップですか。
「俺と侑哉と竜・・・
そしてノブの四人がACEの幹部なんだ。」
「へぇー・・・
って、そんな紹介されても、
絶対ノブの代わりなんてしないからね!」
「頼っ!」
秀太郎は、そう言い、私の両肩に手をおく。
ちょ、顔近いよ・・・
「俺ら、ノブを救いたいんだ。
なんで姿を消したか分からない。
いつもの感じで、フラッと一人旅に出たのかも知れない・・・
けど、もし何かに巻き込まれていたら。
俺らは救いたいんだ。
俺らはノブにたくさん助けられてきたから。
今度は俺らが・・・」
秀太郎は真剣な顔して話す。
信・・・
こんなに思われてたんだね。
こんなにいい仲間に囲まれてたんだね。
「俺らの力だけじゃ無理だから・・・
だから、頼、頼む。
俺らに力を貸してくれ。
絶対俺らがおまえを守るから。」
「秀太郎・・・」
「俺からも頼む。」
竜くんも頭を下げる。
「僕も。」
侑哉くんも頭を下げる。
「・・・」
ずるい。
そんなに言われたら、断れないじゃんか。
「・・・ノブが帰ってくるまでだからね。」
「え・・・?」
「それと、学校にバレたりしたら、ほんと許さないから!」
「頼・・・」
「いいよ、ノブの代わりやっても。」