シンデレラをアレンジしてみたら…
シンデレラをアレンジしてみた
昔、一人の女の子が、お父さんと二人で暮らしていました。
お母さんは彼女を産んでしばらくして、なくなってしまいました。
女の子の名前は今となっては誰にもわかりません。その後に彼女についた呼び名が有名すぎるからです。
お父さんに育てられたその子は、とても素直に育ちました。
それはもう、素直に。
***
あるとき、お父さんが女の人と二人の子供を連れて帰ってきました。
「今日からお前の新しいお母さんと姉さんになる人たちだ。仲良くするんだ」
「よろしくね」
にこやかに話す三人を見ながら、その子はひどく冷静に考えていました。
この明らかに年上の子供たちが仮にお父さんと血が繋がってたとしたら、
お父さん、浮気してたってことだよね。
…とても素直な子でした。
***
程なくして、お父さんが亡くなり、
手のひらを返したように、new母and姉たちのその子に対しての態度が変わりました。
その子に家事や雑用を押し付け、自分たちは自分磨きに励むようになったのです。
そのころには女の子もしっかりと成長して、大人になっていました。
お父さん、女見る目無かったんだな。
まぁ別にいいや、と乗り気ではありませんでしたが、その子は言いつけられたことを一応遂行しました。
掃除等をして、毎日灰を被るようになったその子のことを継母たちは、「灰だらけの汚い娘」と言う意味を持つ『シンデレラ』という名前で呼びました。
いや、あんたらのせいだろうが
内心シンデレラは思いましたが、口には出しませんでした。低レベルの争いにしかならないと思ったからです。
元々、器用なシンデレラはなんでもそつなくこなしました。
新しいドレス、装飾品、エステ通い等々。
金遣いの荒い継母たちをみながら、シンデレラは
そんな金あるなら、お手伝い雇えよ
とひっそり思っていました。
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