悪魔の微笑み
正樹君と図書館を後にし、教室へ戻る。
結局、輝を痛めつける弱点は何も見つからなかった。
教室に戻ると、クラスの女子たちが輝を囲んでいて。
イケメン先生に、次々と質問を浴びせていた。
「先生、モテるでしょ?」
「そんなことないよ」
輝はやたら爽やかな先生を装っている。
誰もその内の腹黒さなんて知らないだろう。
「彼女いるの?」
そう聞いた女子の方をちらっと見る輝。
そして、少しだけ口角を上げた。
その顔を見た瞬間、身体中の血の気が引いた。