悪魔の微笑み





「じゃ、やっつけ作業でもすっか」




輝はそう言って、ぐいっとあたしの身体を持ち上げる。

不意をつかれて




「ひゃあ!!」




声を上げるあたし。

それでも輝は容赦しない。

軽々あたしの身体を持ち、高々と掲げる。






「え……?あ……?」




雛を持ったまま慌てるあたしに、




「何してんだ!?

はやく巣に返せ」




怒鳴り散らす輝。



何よ、そんなに怒らなくても!



だが、いくら手を伸ばしても巣に届かないのだ。





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