悪魔の微笑み
どうやら、輝はなかなか帰してくれるつもりはないらしい。
でも、あたしにはまだ逃げる手段がある。
それはまさに正攻法。
だってここは学校だから。
輝はあたしの手を引き歩き出した。
転びそうになりながら、仕方なく歩くあたし。
幸い周りに生徒はいないが、いつ現れるかなんて分からない。
あたしは、輝にとどめの一言を発した。
「バレたら、首じゃ済まないよ?」
だが、輝には全く響いていないらしい。
「あたしと一緒にいられないよ」
これはあたしからの最後通告。
最近は、生徒と先生の間の関係も厳しくなっていて。
無茶ばかりする輝が、出入り禁止……いや、逮捕されてしまえばいいなんて思った。