悪魔の微笑み




爆発寸前……



あたしの手が強く引かれた。





思わずバランスを崩すあたし。

そんなあたしの身体をふわっと抱きとめる輝。

スマートで、何だか紳士的で……

すごく温かかった。




一気に心臓が脈打ち、身体に血が回るあたし。

何だかとても安心した。

魔力を失っても、もっとずっとこうしていたい。

何考えてんだろ。

相手は輝なのに。






だが、




「グズグズしてんじゃねぇよ」




襲ってきたのは想像以上の罵声。





あぁ、やっぱり輝は悪者だ。



少しだけでもときめいてしまった自分を責めた。




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