悪魔の微笑み
そのままあたしは家に帰った。
どうやって帰ったかも覚えていない。
憎しみに染まったあたしは、きっと悪魔に変身して空を舞ったのだろう。
それでも今あたしが存在しているということは、人間には正体がバレていない証拠だ。
……そう、人間には。
きっと、明里さんも聖さんも人間ではない。
本能的に分かっていた。
お兄ちゃんは何も言わず、あたしを抱きしめてくれた。
そして一言……
「転校するか?」