悪魔の微笑み
「人間界での三つの掟」
お兄ちゃんがゆっくりと口を開く。
凛としたその声が、部屋に響いた。
「人間に、本当の姿を見られてはいけない」
若干の居心地の悪さを感じ、身体を揺するあたし。
「人間に、正体を知られてはいけない」
だけど、あたし……
「人間を、殺してはいけない」
だけど……。
脳裏に浮かんだあいつの姿。
黒い闇に包まれながら、金髪は確かにあたしを見た。
あの、凍えるような冷たい瞳は忘れられない。