悪魔の微笑み
「ねぇ、玲」
不意に正樹君があたしに告げる。
そして、少し頬を染めた正樹君は、あたしにこう告げた。
「今度、遊園地に行かない?」
「え……」
思わず聞き返してしまうあたし。
これって……
これって……!!
再びデートのお誘い!?
胸がドキドキする。
顔にぼっと血が上る。
目の前の正樹君より、さらにあたしは真っ赤だろう。
「嫌だったらいいよ」
正樹君は横を向き、頭に手を当てる。
そんな仕草がさらにあたしのツボにはまる。
「うん……」
鼓動が速くて、息をするのも苦しくて、やっとのことで声を出すあたし。
そんなあたしを見て、
「やったぁ!!」
無邪気な笑顔を作る正樹君。
あたしも、満面の笑みを返していた。
あたしは幸せの絶頂。
あたしの気持ちに陰りなんてない……
はずなのに……
脳裏に浮かぶ輝の顔。
悲しげで自虐的な笑いを浮かべていた。
あんな奴、大嫌いなのに。
なのに、何でだろう。