悪魔の微笑み





いつもの交差点で、有希と別れた。

有希は楽しそうにあたしに手を振った。

あたしも手を上げたが、あたしの手は虚しくはためくだけだった。





何だか胸がいっぱいだ。

酷く切なく、酷く寂しい。




ざわざわする胸をぎゅっと掴み、思い足取りで歩くあたし。

気付いたら、家ではない方向へ向かっていた。





……そう。


昨日、輝とアキの話を聞いた、HEAVENへ。




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