悪魔の微笑み






どうしてだろう。

輝のことが気になって仕方がない。

あんな奴どうでもいいのに、誰かのものになってしまうのが酷く怖い。







相変わらず人通りのない場所で、ひっそりと存在しているクラブの扉。

高校生のあたしがこんなところにいるなんて、やっぱりどうかしている。

頭では分かっているのに、身体が言うことを聞いてくれない。

あたしの身体は、ただ真実を求めていた。





重い扉に手をかける。

そして、その扉をあたしはゆっくり開けた。



< 160 / 307 >

この作品をシェア

pagetop