悪魔の微笑み
どうしてだろう。
輝のことが気になって仕方がない。
あんな奴どうでもいいのに、誰かのものになってしまうのが酷く怖い。
相変わらず人通りのない場所で、ひっそりと存在しているクラブの扉。
高校生のあたしがこんなところにいるなんて、やっぱりどうかしている。
頭では分かっているのに、身体が言うことを聞いてくれない。
あたしの身体は、ただ真実を求めていた。
重い扉に手をかける。
そして、その扉をあたしはゆっくり開けた。