悪魔の微笑み



そんなあたしを、聖さんはカウンター越しにじっと見ていた。

その顔を見るのが何だか怖くて、敢えて顔を上げないあたし。

そんなあたしに向かって聖さんは再び口を開いた。





「アキは輝の幼なじみなんだけど、禁忌を犯したんだ」



「え……」





禁忌?


それって……






「悪魔と身体の関係を持ってしまったということですか?」




苦し紛れにそう吐くと、聖さんは首を横に振った。






「もっと酷い。

アキは、一生その罪を背負って生きないといけないから」



「え……」





悪魔と関係を持つ。

それ以外に酷い禁忌なんてあるの?





「アキは……




人間を殺した」





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