悪魔の微笑み




「お兄ちゃん……怖い」




あたしは呟いていた。




「あたし、ここまで大きくなったのに。

学校に友達だって出来たのに。

正樹君だっているのに。



なのに……


あたしは、いつか消えちゃうの?」






お兄ちゃんはその大きな手をあたしの頭に乗せる。

ほんのり温かく、ごわごわした大人の手。


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