悪魔の微笑み
「余計なこと吹き込みやがって」
輝はそう言って、あたしの隣のカウンターにぶっきらぼうに座る。
そして聖さんを睨み、
「てめぇ、ガキは苦手なんじゃねぇのかよ」
威嚇するように唸った。
あぁ、本当に輝はおっかない。
こんな奴が天使だとか、神様は何をやっているのだろう。
だけど……
この胸の苦しさは何!?
胸の奥が熱くて、ぎゅっと掴まれて、鼓動は止まってしまうほど速い。
顔が熱くて、輝の方を見ることすらできない。
あたしは口をつぐんで下を向いた。
微かに身体が震えているのは、寒さのせいじゃない。