悪魔の微笑み





長いキスがようやく終わり、唇がゆっくり離れる。

頭が痺れ、身体を何とも言えない快感が襲う。

まるで、足が宙に浮いているみたい。

立っているのがやっとだ。





ふらつくあたしの身体を支えてくれる輝。

その手の触れた場所が焼けるように熱い。

間近で見た瞳は、いつもの狂気に満ちているそれとは違っていて。

胸がきゅんと甘くときめく。





嫌いなのに。

消してやりたいのに。



……その気持ちは、本当?







「抱かせてあげる」




あたしはそう口にしていた。





< 182 / 307 >

この作品をシェア

pagetop