悪魔の微笑み
長いキスがようやく終わり、唇がゆっくり離れる。
頭が痺れ、身体を何とも言えない快感が襲う。
まるで、足が宙に浮いているみたい。
立っているのがやっとだ。
ふらつくあたしの身体を支えてくれる輝。
その手の触れた場所が焼けるように熱い。
間近で見た瞳は、いつもの狂気に満ちているそれとは違っていて。
胸がきゅんと甘くときめく。
嫌いなのに。
消してやりたいのに。
……その気持ちは、本当?
「抱かせてあげる」
あたしはそう口にしていた。