悪魔の微笑み
「お前は俺のものだ」
ブラウスのボタンを開け、胸元に口付けをされる。
頭の先まで熱くなり、びくんと飛び跳ねるあたし。
輝が唇を離すと、そこには赤い痕が残っている。
「俺のもの……」
あたしは輝の頭をぎゅっと抱きかかえていた。
胸の中からどんどん感情が溢れてくる。
それは、甘くてそして酸っぱい。
愛しい……
この前にいる限りなく悪人に近い男が、愛しくて仕方がない。
一瞬でもそう思った自分を責めた。
あたしには、正樹君がいる。
それに、輝は有希とくっつけばいい。
それで解決じゃん。