悪魔の微笑み

「ふざけたこと言うんじゃねぇ」




輝の低い声が聞こえた。

はっとして、思わず輝の顔を見てしまうあたし。

輝はどんな悪意に満ちた顔をしているだろうと身構えたあたし。

だけど、輝は思いのほか切なげな顔をしている。

いつもとは違うその真剣な瞳に、胸の奥まで見透かされてしまいそう。





「天使が尊くて美しい？

……ふざけてんのかてめぇ」





いつもの暴言。

それにも力がない。

だけど、輝は真っ直ぐにあたしを見ていた。




この場から消えてしまいたいのに、

輝にこの姿なんて見られたくないのに、

輝から目が離せないあたしがいた。






「お前は……玲は……綺麗だ」