悪魔の微笑み
心の葛藤
次の日……。
「おはよう……」
あたしは、ダルい身体を引きずって教室のドアを開けた。
姿こそ人間に戻ったが、昨日の消耗は半端なかった。
改めて天使と悪魔は相入れぬ存在だと悟った。
自らの存在の危機にも瀕しながら、どうして輝はあたしを求めるのだろう。
自問自答して辿り着いた言葉、それはやっぱり「アキ」だった。
昨日、聖さんからアキについての話を聞こうと思った。
だけど、途中で輝に邪魔をされた。
アキは輝の幼なじみで、禁忌とされる殺人を犯してしまって……
それから、どうなったのだろう。
聖さんが言うには、消えた訳ではなさそうだが……。