悪魔の微笑み






「玲!!

何度言ったら分かるんだ?」




あたしの前に聳え立つ彼は、頭から湯気を噴き出しそうなほどの怒りに駆られ、血走ったその目であたしを睨んだ。






あまりの怒りでヤカンが沸騰し、甲高い音を発して騒いでいる。

綺麗に並べたグラスはガタガタと飛び跳ね、そのうちの一つは棚から落ちた。





パリーン……





驚くほど軽やかで明るい音が、殺気の立ち込めた部屋に響いた。




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