悪魔の微笑み






そんな中……





「白浜先生、おはようございますっ!」



「せんせ、おはよー」




女子に囲まれながら登場する輝。

黒髪に、学校用の眼鏡をしている。




こう見ると、ごく普通の真面目な先生。

誰も輝の本性には気付かないだろう。





ボーッと輝を見つめていると、視線がぶつかった。

その瞬間顔に火が上り、顔を反らすあたし。

こんな姿を見せたら、輝の思うツボだ。






だが、




「森野さん、おはよう」




わざとらしくにこやかに挨拶をされ、ひっくり返りそうになった。





「お……おはようございます……」




もごもごしゃべるあたし。





何だか恥ずかしくて、輝の顔すら見れない。

弱味を見せたら負けなのに。

あたしの馬鹿!!






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