悪魔の微笑み





「えっ、何!?

白浜先生どこか行くの?」



「デート!?」



「駄目だよ。

玲は正樹のものだからさぁ!!」




いつの間にか人気者の輝の周りには女子たちが集まっていて。

きゃあきゃあと囃し立てる。

クラスの爽やか少年正樹君でさえ、輝の前では邪険に扱われるようだ。

いつの間に、あたしと正樹君は公認のカップルになったのか。





「そんなことないよ」




輝は営業スマイルを浮かべて女子たちを見た。

まるで体操のお兄さんのような清々しい微笑みだ。

だが、その微笑みは一緒にして般若の笑みに変わる。




ビクッと飛び上がるあたし。

女子たちも一瞬で静かになって身を引いた。




輝は立ち上がり……




「てめぇらブッ殺す!!」




なんと、女子を相手に怒鳴ったのだ。






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