悪魔の微笑み
自分は悪魔。
はじめはそう割り切って生活していた。
だけど……
だけど、こんなあたしを疑うこともせず、友達だと言ってくれるみんな。
共に笑い、共に成長してきた。
そして正樹君に至っては、こんなあたしとデートまでしてくれた。
……してくれるつもりだった。
こんな普通で幸せな生活が続くといいなと思っていたのに、修行は残り一年。
高校卒業と同時に、あたしは魔界へ帰るのだ。
……うまくいったら。
泡となって消えなかったらだけど。