悪魔の微笑み
「静かに」
輝の声が教室に響く。
その声を聞くだけで、あたしの身体が反応する。
熱くなって、とけてしまいそうで。
首元のキスマークすら熱を持って疼く。
あたしは、激しく輝を求めている……。
ー悪魔は人を誘惑し、破滅的な快感を与えるー
そんなことを言われたりもしたけど、酷く誘惑されて破滅的な余韻に寄っているのはあたしの方だ。
「今日は高分子についての授業をします」
その声は落ち着いていて穏やかだ。
普段の荒い声とはかけ離れていて。
思わず顔を上げて輝を見てしまった。
その瞬間、輝と視線がぶつかる。
昨日の一連の行為が走馬灯のように頭を駆け抜け、顔から火を吹きそうなほどの熱を持つ。
輝はあたしを見て口角を上げ、あたしはどさっと机に伏せた。
もう、見たくもない!!
奴を見る度に、あたしはどんどんおかしくなっていく。