悪魔の微笑み





そして、放課後……







まるで鉛になったかのように重い身体を引きずり、あたしは輝の待つ化学実験室へ向かった。

すれ違う人は、一日を終えてみんな楽しそうに笑っている。

だけど、あたしは違った。

まるで処刑台へ行く死刑囚のよう。

だけど、待ちに待った恋人に会うような気さえする。

胸がドキドキして、身体も熱くなって。

輝になんて会いたくない、だけど会いたい。

そんな葛藤が胸の中でぶつかり合っていた。







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