悪魔の微笑み
だめ!!
こんな姿、正樹君に見られたくない。
こんな獣みたいに輝に溺れる姿、見せられない。
これじゃ、単なる二股だよ。
正樹君には面と向かって言葉で伝えないと!
再び正樹君に視線を移す。
正樹君、どんな顔をしているのだろう。
それを見るのがこの上なく怖かったが……
なぜか、辺りをきょろきょろしている正樹君。
その視線があたしを突き抜け右往左往した。
え……
声をぐっとこらえる。
正樹君に、きっとあたしは見えていない。