悪魔の微笑み





「お前たちがこっちの世界で学ぶように、俺たちもこっちの世界で学ぶ。

それで、俺はあいつと共にこの世界に来た」




輝の声は相変わらず単調で、まるで朗読しているようで。

いや……

自らに経緯を言い聞かせているように思える。




もしかしたら……

輝が一番受け入れていないのかも。

輝だけが天使として残り、アキは悪魔になったことを。






「俺とアキは、ある高校に入学した。

そこで、人間とはどういうものかを学ぶはずだった。

社交的なアキはすぐに友達も出来た。

みんながアキを慕い、クラスの中心的人物にさえなっていた。




だけど、俺は……」






輝は急に言葉をのむ。




どうしたのだろうと輝を覗き込んだ瞬間……


彼は思いも寄らない言葉を吐いた。






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