悪魔の微笑み
「あいつに人間を殺した罪があるのなら、俺にはあいつを殺した罪がある」
輝の声は静かだ。
だが、いつもの迫力と自信がない。
「だから……あたしと……」
あたしと関係を持って消えようと思ったの!?
その事実に胸が痛む。
強引だけど温かかった。
時々優しかった。
それが全て嘘だったというの?
弁明して。
あの気持ちは本当だと言って。
だってあたし……
輝のせいで、輝のこと好きになってしまったじゃん。
だけど輝は黙って俯いているだけ。
それが何よりもの裏付けとなる。
「最低」
あたしはそう言葉を発して、教室を後にしていた。