悪魔の微笑み








「玲、大丈夫か?」




お兄ちゃんの声が聞こえ、はっと顔を上げる。



いつの間にか机の上にはご飯が並べられていて、エプロン姿のお兄ちゃんが心配そうにあたしを見下ろしていた。

あたし、また輝のことばかり考えていた……






「う、うん!!大丈夫!」




平気を繕うが、お兄ちゃんにはバレバレのようだ。

心配だが、半ば困った顔であたしを見ている。




「あの天使のこと考えていたんだろ?」




びくっと飛び上がるあたし。

慌てて




「ち……違うもん!」




否定する。


そうだと知ったらお兄ちゃんは、きっと怒り狂うから。






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