悪魔の微笑み




だけど、お兄ちゃんにはもう察しがついているようだ。

あたしの横にかがみ、その手であたしを撫でる。

その少しごつごつした手が触れた瞬間、身体に力が戻ってくる。

改めて自分が悪魔だと感じた。





「俺たちはあいつらとは仲良く出来ない。

……分かるだろ?」




お兄ちゃんの声はびっくりするくらい落ち着いていて静かだ。




「あいつらと関わると、身体の力を全部抜かれてしまう」





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