悪魔の微笑み
あたしが最近憔悴していたことも、お兄ちゃんにはお見通しだったようだ。
輝と結ばれないことなんて、とっくの昔に分かっていた。
なのに……
僅かでも希望があるならとすがってしまったんだ。
輝の気持ちなんて理解せずに。
「あたしは……悪魔……」
あたしの声は掠れていた。
だけど、言葉を発するにつれ、それを認めざるを得ないと思う。
輝に散々弄ばれたけど……
これ以上、彼の言いなりになるのはやめよう。
心の中で誓った。