悪魔の微笑み
第三章
地獄のダブルデート
次の日……
紺のチュニックに、ショートパンツ。
敢えて辛めに決めたあたしは、浮かない気持ちで待ち合わせ場所へ向かった。
輝とあたしの関係を知らないとはいえ、何だか正樹君に合わせる顔がない。
それ以前に、輝の顔すら見たくないのだ。
輝の気が変わり、全てが無しにならないかな。
輝があたしの前から消えてくれないかな。
あたしは切にそう願っていた。
だが、現実はそんなに甘くない。
「おはよう、玲」
そう言って手を振る正樹君の後ろには、やっぱりあいつがいて。
あたしを見て、嫌らしい笑みを浮かべた。