悪魔の微笑み







そんなことで、辿り着いた遊園地。

大きな門に並び、列を作って入場を待つ人々。

済んだ青空に、放たれた風船が飛んでいった。

遠くに大きな観覧車が見え、頭上をジェットコースターが走っていった。




普通なら、ウキウキと気分が弾む。

だが、あたしの心は真っ暗だった。

輝のこと、正樹君のこと、有希のことを考える度に気分が沈み、気付いたら下を向いて黙っていた。







「玲、大丈夫?

なんか今日おかしいよ?」




正樹君が心配そうにあたしを覗き込む。

はっと我に返ったあたしは、




「何でもないよ!!」




笑顔を作るので精一杯だった。





あぁ……

今日一日をどう乗り切ればいいのだろう。

先が思いやられるよ。







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