悪魔の微笑み




「……あァ!?」




あたしの言葉を聞いて、目の前にいる輝は露骨に顔を歪めた。

もう、辺りに有希と正樹君の気配はなくて。

輝は本性を隠すことなくさらけ出す。





「ふざけたこと言いやがって」





ふざけてない。

少なくともあたしは本気だ。

これ以上、輝なんかと関わりたくもない。

輝だってそうでしょ?

悪魔が一人消えたって、痛くも痒くもない。





そう思うのに、




「てめぇは昨日の俺の返事すら聞かねえ」



「え……」




その言葉に、思わず輝の顔をまじまじと眺めていた。






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