悪魔の微笑み
身動きが出来ない。
ただ、心臓がやたら早い。
その言葉は鈍ったあたしの頭を、ゆっくりと刺激する。
そして、その言葉の意味を理解すると同時に、身体が熱くなって。
いまだかつて感じたことのない幸せで満たされて。
大きな震えがあたしの身体を襲う。
輝があたしを……。
いつもの冗談じゃないよね?
また、あたしを騙そうとしている訳じゃないよね?
だけど、目の前の輝は真剣な顔をしていて。
いつもの、あの趣味の悪い笑いなんて微塵もなくて。
「今は例え結ばれねぇ存在でも、解決方法はあるんじゃねぇ?
俺は、それを見つけていこうと思う」