悪魔の微笑み
遊園地内を駆け回った。
有希や正樹君と似た服の人に、間違えて声をかけたりもした。
それでも、目当ての二人は見つからない。
輝に触れられ、園内を駆け回ったせいで、あたしの体力の消耗も激しい。
それでも身体に鞭を打って園内を隈なく探す。
「もう、帰っちゃったのかな?」
そう呟いたあたしに、
「帰ってねぇよ」
輝は言う。
どうして分かるのだろう。
輝の力はあたしと比べ物にならないほど凄い。